歯みがき剤
 
歯みがき剤の選び方
 歯みがき剤は、ブラッシング効果を高めるためのもので、どの歯みがき剤も基本成分を備えています。歯みがき剤は各自の好みで選択してよいのですが、医薬部外品(薬用)歯みがき剤はむし歯予防効果のあるフッ素が含まれているものなど、むし歯予防などの機能を備えていますので、歯みがき剤に記載してある成分などを確認して使用する人の目的に合った薬効成分を含む歯みがき剤を選択するとようでしょう。

医薬部外品(薬用)歯
みがき剤に含まれる主な薬効成分とその効果

薬 効 成 分

効 果

フッ化ナトリウム
モノフルオロリン酸ナトリウム など

むし歯を予防する。初期むし歯を再石灰化させる働きがある

乳酸アルミニウム
硝酸カリウム など

歯がしみる(象牙質知覚過敏)のを防ぐ

塩化ナトリウム、トラネキサム酸
塩化リゾチーム、トコフェノール など

歯肉の炎症をおさえ、歯肉炎を予防する

塩化セチルピリジコニウム
トリクロサン など

殺菌成分でむし歯や歯周病の原因菌の殺菌に働く


フッ素入り歯みがき剤
 近年欧米の多くの国では、むし歯が減少しています。その要因に、WHO(世界保健機構)はフッ素入り歯みがき剤の普及が大きく寄与している見解を述べています。厚生労働省の国民の健康づくり政策である「健康日本21」においても学齢期でフッ素入り歯みがき剤の使用を90%以上にすることを歯科保健の目標の一つに掲げています。フッ素入り歯みがき剤は容器裏面の薬用成分欄に「フッ化ナトリウム」「モノフルオロリン酸ナトリウム」と記載されています。フッ素入り歯みがき剤をじょうずに使って効果的にむし歯予防をすることが大切です。

フッ素入り歯磨き剤の効果的な使い方
 フッ素は濃度が高ければ、むし歯予防効果も高まることが知られています。また、歯みがき剤を歯に作用させる時間は2分以上が望ましいと考えられています。
 歯みがきをしていると、唾液などでフッ素が薄まっていきます。歯みがき剤が薄まると、その効果がおちてきます。そのため、歯みがき剤のフッ素を効果的は利用するには、歯みがき剤がすぐにうすまらないようにしっかりつけ(1g以上)、奥歯の溝などのむし歯になりやすいところから磨き始めて、薄まらないうちにフッ素をそれらの部位にしっかりと届けるようにします。
 さらに、右側からみがきはじめた場合、左側ではフッ素の濃度が下がる可能性があります。左側を磨くときにもう一度歯磨剤をつけるとより効果的にフッ素が働きます。2度つけする場合は1gの歯磨剤を半分ずつ使います。長い時間歯みがきをする方は、最後の2分間に歯磨剤をつけるとよいでしょう。
 もうひとつ重要なポイントは、すすぎです。フッ素は歯に取り込まれても、口をすすぎ過ぎるとフッ素が流れ出てしまいます。フッ素の有効性を高めるため、歯みがき後のすすぎはできるだけ少ない水の量で、回数は少なめにすることをお奨めします。
 また、フッ素入り歯みがき剤の使用は1日に2回以上使用することをお勧めします。特に就寝前に使用すると、夜間に長時間、フッ素が口の中に停滞し、むし歯予防に最も効果的です。 歯磨剤1gの目安は2cmほどの歯ブラシなら2/3程度です。