顎(あご)に痛みを感じたら

今 、顎関節症が増えています。あなたは大丈夫ですか?


●こんな症状はありませんか?

1.顎が痛い

 ◎何もしなくても顎やその周りが痛い。
 ◎口の開閉で特に痛い。
 ◎硬いものを食べると痛い。
 ◎長くものを噛んでると、顎が痛い

2.口が大きく開かない
 ◎無理に大きく開こうとすると痛い。
 ◎人差し指から薬指まで 縦にして3本が口に入らない。

3.口を開けると音がする
 ◎食事の時などにカクッという音や、ザリッという音がする。
 
 上記以外でも、食事中 顎が疲れる、頭痛(偏頭痛)、首や肩がこる、等の症状があります。
 以前は全くこれらの症状が無かったのに 最近 特に気になる場合、顎関節症の可能性があります。

(原因) 
 色々な要因があり、それらが積み重なって症状が発現すると言われています。例えば、
@歯ぎしり 音がしないことも有るので 気がつきにくいのですが、実は多くの人がしています。
Aくいしばり 寝ているとき以外でも、起きてるときに 無意識にしている事もあります。
B咬合異常 歯が抜けたままや、詰め物が取れたままにしていたり、虫歯の放置や合わない入れ歯をそのまま使用しているうちに、顎の位置がずれる事があります。
C外傷 スポーツや事故などで顎を強打したり、硬いものを長く噛んだり、無理に噛みしめるようなことをするスポーツ(野球、サッカー 等)でも顎を痛めることがあります。
Dストレス 最近では これがかなり大きな原因であると分析する専門家が多いです。なぜなら、受験や家族の病気 等のストレス、引っ越しや職場が変わるなどの環境変化で症状が重くなり、逆に問題が無くなると 全く症状が消去する事が多いからです。

(治療法)
 顎関節 及び その周りの筋肉の安静、負担を軽くする、痛みを和らげる、血行の促進、食事療法、生活習慣の指導、精神的な安定を図る、などがあります。

 1.温熱マッサージ、マイオモニター、レーザー、針治療などの理学療法
 2.鎮痛剤や消炎剤 等の薬物療法
 3.スプリント療法(マウスピースを作製して 寝るときに入れる)
 4.咬合(噛み合わせ)調整
 5.食事、生活様式の指導
 6.カウンセリング
 7.外科的療法(上記の治療で 殆んど改善が認められない場合、行なわれることもあります)

(セルフケアが大切です)

 治療は、歯科医師の指導のもとに患者さん自身が積極的に治療に参加して、原因となっている自分自身の生活の一部を改善する事が重要です。それがセルフケアです。
 従って、気になる症状が発現したら、なるべく早めに歯科医院を受診して原因を究明し、担当の歯科医師と よく相談の上、ご自身にあったセルフケアで症状の改善を図ってください。
 尚、この疾患は治るまでに長期間かかることもありますので、すぐ良くならないからといって 諦めずに気長に通院していただく事をお勧めします。